シマチャビ

 

島へ島へと

シマチャビ

かつて東京から与那国島に渡るには、まず那覇にいき、そこから石垣にいき、そこまでは予定通りにいくことができた。その先は不安定要素が多くて、予定がどのように変わるかわからなかった。石垣島からは、福山海運の「よなくに丸」で八時間かけ黒潮を渡る。この船は揺れるので有名だった。

もしくは石垣空港から十九席しかない小型飛行機DHC-6に乗るかだった。これはあまりにも小さい飛行機なので、天候の具合でしょっ中欠航になった。石垣飛行場までいくと、「欠航」の看板がでている。有無をいわせない力が、その看板にはあるのだった。「欠航」がでると、どんな事情があろうともそこから引き返さなければならない。予約はその時点で完全に取り消されるので、また改めて予約を取り直さなければならない。次の便、もしくは翌日の便でいければいいのだが、なかなか予約をとることができない。それが大問題なのだった。船ならば予約をとれないということもない。しかし、週に二便ほどしかなく、どうしても飛行機でいけない時のための補助という感じがあった。牛などを送る時も、牛だけ船に乗せ、人は飛行機でいく。船は揺れるし、船酔いもする可能性もあるので、難儀でもある。そのことをよく知っている島の人はほとんど飛行機を利用し、船に乗るのは九割までが内地の人間である。船のほうが運賃は安いのだが生活のためには船は不便だということである。

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