龍とツワブキー2

 

島へ島へと

龍とツワブキー2

東に精緻な切石積みがすばらしい大手門である櫓門、北には那覇・首里をはじめ慶良間諸島、勝連城のある勝連半島を見通せる「二シ(北)ノアザナ」、南は玉城の平野部と具志頭を越えて拡がる太平洋を一望可能な「フェー(南)ノアザナ」と称する見張り台を兼ねた櫓台を備えています。城内にはいると琉球石灰岩の奇岩と木々が鬱蒼とした新緑の高まりを作っており、その中に糸数按司の墓と祠がピーンと張り詰められた静寂な神的世界を醸し出しています。
16世紀から17世紀にかけて首里王府が編纂した沖縄最古の古謡「おもろそうし」の中に糸数城が詠まれています。「せしきよ、かなくすく、世かる、かなくすく、玉よせ、くすく、たまくす、まくに(第18巻1280)」巧みで頑丈な城、立派で堅固な城、玉や宝の寄せ満つる城、按司の世こそは 永久に幸あれ 又 糸数の根国、玉城真国と城下が繁栄と栄華を極め、アジア各地からの帆船・人が往きかう風景が脳裏に浮かんできます。
ツワブキの黄色い花としっかりとした緑の葉。足下には切り取られた琉球石灰岩の飛び石のような道が城中央に続いています。
漢の時代、近郊の錫鉱山が掘り尽くされ、それ以来「無錫」と呼ばれるようになった中国有数の工業都市の一角に天下第二の泉がある錫恵公園があります。
公演の中の壁は龍を模し山を背にうごめいています。よく見ると北京故宮の龍の指(5本)と違い沖縄の首里城の龍と同じ4本の指を持っています。そんな悠久
中国の影響を受けた糸数城の城壁が玉を追う龍舞いの動きを見せ、私の心の中に快い風を贈ってくれます。永久の世に居るような、まるで愛する子供を守ってくれているかのようなたおやかな曲線を描く龍壁とツワブキの花の香り。糸数城の龍が追い求める玉はきっと虹色に輝く沖縄の美ら海ではないのか・・・・・・。
美ら海がきらきらと輝いています。

 

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