島へ島へと
製糖の仕事の実際
製糖の仕事は、畑で刈り取りするのも、製糖工場で働くのも、どちらも重労働だ
その数年後に私も農家に住み込んで畑での刈り取りをして、トラックを運転して
砂糖キビを製糖工場に搬入したので、工場でやっていることも大体見ていた。
トラックで工場にはいる時、大きな台計りの上にのって重量を計り、砂糖キビを広い構内の指示されたところに投げおろす。帰りに空荷のトラックの重量を計測すると、その差で砂糖キビの重量がわかる。あとで農協が集計して農家に清算する仕組みである。
広い構内に置かれている砂糖キビは、頃合いを見ながらシャベルカーでベルトコンベアーのところまで押されていく。それから三十キロほどに結束された砂糖キビの束は、ベルトコンベアーの上を平均して流れるよう人の手によって投げ入れなければならない。これが重労働である。しばらくすると腰がいたくなってくるもだ。この担当になると、深夜に十二時間の重労働が続くことになる。手を休めると原料が流れていかないことになって、工場全体に影響がでる。
流れていった砂糖キビは圧搾機にかけられ、絞られる。このジュースが圧搾液で砂糖キビ全体の重量は七十五パーセントに減る。残りが搾りかすで、バガスと呼ばれる。これはボイラー室に送られて、燃料となる。砂糖キビは工場に送られた分は、どこも捨てるところはない。
圧搾液には少量の石灰分がまぜられ、加熱すると、必要のない成分は沈殿する。