戻らなければにドアをひが島へ島へと-2

 

島へ島へと

戻らなければにドアをひが島へ島へと-2

はじめての与那国

小型トラックで荷物がターミナルに運ばれ、台の上にのせられる。自分の荷物を取ると、迎えの人がそれぞれの車に運んでいく。あんなにごったがえしていた人も、たちまちいなくなってしまうのである。製糖作業のまっただ中で、迎えにきた人もすぐに砂糖キビ畑や製糖工場に戻らなければならないのだ。

私は援農舎の藤野雅之さんといっしょだったから、この先どうなるのかなど心配することもなかった。民宿の予約のしていたし、藤野さんと同室で泊ればよいのだ。藤野さんには援農舎スタッフの稲垣さんが、民宿の小型トラックを借りて迎えにきていた。

「飛行機は順調に飛びましたね」

迎えの人の最初の挨拶は大体このようなものだ。本当は欠航になって石垣島で一日待ったのだが、そのくらいは仕方ないことで、石垣空港を出発してから引き返しもせず無事に飛んできたという意味である。

「援農隊は順調ですか」

藤野さんが問うと、稲垣さんは応える。

「順調ですよ。事故もなく、トラブルもありません」

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