青い空、青い海

 

島へ島へと

青い空、青い海

思いがけなく、私の予想を完全に超えて、私は他界

というろころに向かっているような気がした。

そこは光に満ちた美しいところに違いなかった。

北の国からも援農隊は参加する。北海道からが

最も多いと聞いていた。彼らの気持ちはよくわかる。予期に長い間鎖された長い冬、時には一年の半分もなる厳しい雪の季節から解き放たれて、太陽の光を思いきれ浴びたい。空の青、海の青に、全身ばかりか心の中まで染まっていたい。そう願うのは当然である。どんな現実でも、それが現実であるかぎり過酷だ。冬の気候も現実の一つなのである。厳しい冬の現実から逃れるには、青い空と青い海があり

パイナップルやパパイヤやバナナなどトロピカルフルーツがたわわに実る、亜熱帯の島沖縄にいくのがよい。しかも、いくのは沖縄の中でも最も南の与那国島なのである。援農舎のメンバーから島の現実と労働の厳しさについて説明を受けるのが、頭で理解できても、心の底に落ちていかない。彼自身の現実になるには、身をもって体験しなければならないのだ。

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