島へ島へと
安里ユースホテル-2
長逗留しているものもいたし、離島の旅をしてはまた帰ってくるものもいた。食事は近所のサンドイッチ・シャープでコンビーフいためライスを食べてくればよい。風呂はたぶんシャワーのようなものがあったはずだが、記憶は定かではない
現況を光らせたペアレントが長い石段を切らせながら登ってきて、料金を徴収する。毎日払ってもよいし、何日分かまとめてはらってもよい。まっすぐな石段を登ってこなければならないので、ペアレントの姿は丸見えである。
「親父がきたぞーっ」
ペアレントの姿が見えると、誰かが大声をだす。すると上の窓から逃げだし、一時避難するものもいた。「君には何日分いただいたかな」ペアレントに聞かれると、こう答える。「一週間分です」「そうだったかな」「そうです」
これで済んでしまうのである。ペアレントはノートにつけておくわけでもないので、細かなことはどのようにでも言えた。もしかするとすべてをわかっていて、
貧乏旅行者のために安い宿を提供してくれたのかもわからない。
掃除もめったにせず、蒲団もひいていたそのままだ、別館は男だけしかいなかった。さすがのペアレントも、いくら本館がいっぱいでも、女性旅行者を別館にまわしてはこなかった。
ということは、とういことはすべてをわかっていて宿泊所を提供してくれたのだろう。夜は、酒盛りになった。オリオンビールの壜一本の泡盛はなかなか飲み切れるものではなく、ビール壜一本あれば一晩はもった。泡盛も輪が情報交換のばになったのだ。